馬に没頭した歳月

Column
馬に没頭した20年以上の歳月

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まるで昨日のことのように明瞭に、
そしてセンチメンタルに思い出しながら、、、



父親の仕事の関係で幼少の頃はブラジルの田舎に暮らしました。 現地では普通のことですが、子どもたちは 「補助輪付自転車」 の代わりに 「馬」 を買ってもらいます。 最初は小さな馬ですが、子どもの成長と共にそれまでの馬を 「下取り」 に出して、成人に達するまでに何度か馬のサイズを替えていきます。 御多分に洩れず、僕も三歳の頃初めて自分の馬を買ってもらいました。 もちろん 「馬場」 のような限られた場所ではなく、普通の子どもが自転車に乗って遊びに行くように、日常的に馬に乗ってそこらに遊びに行くのですが、僕は兄や大きな友人たちに置いて行かれたくない一心で、特別な練習もしないまま、見よう見まねで馬に乗って皆に付いていったように記憶しています。

帰国してからは、日本乗馬スポーツ少年団連盟の小倉競馬場馬術スポーツ少年団 (現JRA小倉競馬場乗馬センター) に所属して、乗馬厩舎に入り浸って、馬術に明け暮れる日々を過ごしました。
小倉競馬場で競馬があるときには、誘導馬の世話係りをさせてもらえることもあって鼻高々でした。


馬事公苑

h-bajikoen.03.jpg春夏には世田谷の『馬事公苑』で研修会を受けたり、
馬と一緒にトラックに乗って、試合に出掛けたりしました。
博多の『上野乗馬園』、太宰府の『福岡愛馬会』、
【福岡山口県対抗馬術大会】、『小倉競馬場』や
『福岡大学』で開催された【県大会】、
『鹿児島県国分畜産試験場』や『長崎県諫早馬事公苑』
で開催された【全九州馬術大会】などに出場しました。

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中学1年の時に、「福岡山口県対抗馬術大会」で、
初優勝したのをかわきりに、「県大会」で何度か優勝、 「全九州」で三位、
【親善大会】では三種目すべてに優勝したことが一度、
それ以外のときは、三種目中一~二種目優勝というような喜ばしい経験もしました。
現全日本大会で活躍中の松下理一郎、川口(旧姓吉本)雅美選手は当時同じところで練習していた人たちです。

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朝から晩まで

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朝から晩まで馬と一緒にいるのが何よりの楽しみでした。
馬は一日四回食事をします。 学校が休みの日には
早朝から厩舎に出掛け、朝7時の朝食から世話を始め、12時半、4時半に三回の食事を与えます。
その間に馬房の掃除をして汚れたワラを天日に干したり
馬装をして1時間~1時間半の練習をしたり、
その後、馬の手入れをして、4時半の食事を与えてから帰宅するのが常でした。
子どもの頃のことですから、午後8時の夜食は北九州大学馬術部の人か、競馬場の職員、つまり僕らの先生が与えていました。